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この間少し時間が取れたので、1週間ばかりインドネシアの小さな島へ行ってきました。友人が計画してくれた旅行だったので、私は行くまで知らなかったのですが、この大変海のきれいな島へは、魚釣りや海のスポーツなどが目的で、日本からも大勢の旅行者が来るのだそうです。その人たちをお世話するために日本人が経営する小さなホテルがあって、私たちもそこに泊まりました。実は、 そこ を経営するあい子さんから私たちの活動にも関係のある話を聞いたので、珍しく手紙を書くことにしました。 さんの話では、「せっかくの綺麗な海を、島の人たちは守ろうという意識がない」ということです。毎日の生活から出るゴミや、汚れた水を平気で捨てて海水を汚染しているし、お金になるからという理由で、これまでなかったような新しい道具を使って魚をとり、環境破壊を続けているそうです。見るに見かねてさんのように島の外から来た人たちが、一生懸命に自然を守ろうと呼びかけても、島の人たちはあまり関心を持たないらしいです。「島の人たちは、日本の海のような汚れた海を見たことがないから、海が汚れるということがどういうことなのか、いくら説明しても理解することができない。少しぐらい物を捨てても大丈夫だと思っているのではないだろうか」と、さんは言うのです。 「汚れた海を見たことがない」なんて、私のように日本で育った人間には信じられないことですが、1週間ほど美しい海に囲まれて生活しているうちに、それも分かるなあと思えてきました。今目に見えないので心配ないと思って、私たち日本人も( 1 )海を汚して、いつの間にかどうにもできなくなってしまったのです。環境よりも、生活を豊かにすることの方が大切だからという考えは、当たり前のこととして私にも理解できます。でも、今環境汚染の問題は、この島だけではなく地球の問題なのだということを、どうしたら分かってもらえるのだろうかと、自然に囲まれたその美しい島で、考えてしまいました。 地球の自然を守る活動を続ける私たちに対する、大きな宿題を与えられたように思って、この手紙を書きました。 (『中級から学ぶワークブック』 KENKYUSHA、一部修正)