体全体やその一 部 を動 か して、自分の気持ちや考えを表すことを 「身振り」と言う。 話をしている時に、喜びや悲しみや怒りなどの感情は、目や顔に表れますし、手や足の動きなどによっても強調することができ る 。身振りを混ぜることで、口にしている言葉の意味をいっそうはっきり伝えることができ る 。 (1) 、それだけでは ない 。身振りは普通の言葉の代わりとして、それだけで用いることができ る 。「いやだ」、というときに「首を横に振る」とか、「静かにしなさい」という代わりに「人差し指を縦に口に当てる」のはその例で ある 。 また、身振りによって、口では表しにくい気持ちを伝えることもあ る 。例えば、特定の人に何かの合図を送りたい時に「片目をつぶる」とか、「失敗して恥ずかしい 」「 申し訳ない」という気持ちを表す時に「頭をかく」のがその例で ある 。 世界中の誰にも分かる身振りは、人差し指と中指を立てて表す「 vサイン」で あろう 。この「勝利の合図」は、テレビのスポーツ番組などでよく見られ る 。上に挙げた「静かに」という身振りもどこの国でも通じる だろう 。けれども、同じ身振りでも、国や民族によって意味が違う場合があ る 。例えば、「親指を立てる」のは、多くの国では「オーケー、よい、最高だ」という意味を表 す が、日本では「男、彼、父親」などを表す。息子が友人に親指を立てて「これにどなられた」と言えば、「父親に大きな声で叱られた」ということで ある 。また、「親指と人差し指で耳たぶをつまむ」のは、ほとんどの亜細亜諸国やアメリカ合衆国などでは「よく聞きなさい」とか、あるいは「聞こえない」など、聞くことに関係のある身振り だ が、日本やでは、熱い物に触れた時に指を早く冷やそうとする動作で ある 。 また、同じことを表すのに、違う身振りで示す場合もあ る 。「私、自分」を示すのに、親指で胸を指さしたり、手のひらを胸に当てるのは国際的な身振りで ある が、日本人は人差し指で自分の鼻を指さす。日本人が手を胸に当てるのは、「安心した」ということを表す場合で ある 。 (2) 、身振りはとても変化にとんだ面白い言葉で ある 。それぞれの国の独特な身振りは、その国の演劇や舞踊の中にも取り入れられて、大切な要素になってい る 。