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人間はみんな「自分はこのような人間だ」というイメージを持っています。これを自己イメージといいます。ある人に会った人は、その人のイメージを持ちます。これを他者イメージと言います。継続的な人間関係があると、相手のイメージが固定してきます。自己イメージと他者からの自分に対するイメージに乖離が大きいと、人間関係に障害が生じます。自分は無口だと思っているのに、他人からはおしゃべりだと思われていたら、そこには誤解が生じているので、誤解した ( された ) 人間関係が生まれるのです。 「自分は他人から誤解されやすい人間だ」と感じる人は、自己イメージと他者からのイメージに乖離があるのです。誤解はどうして生じるかというと、自分の方は自分の心の持ち方で判断しているのに対して、他者はその人の行動から判断しているからです。 ( 中略 ) 他人のことは、外から見えることでしか判断できませんが、自分のことは、見えること ( 行動 ) と見えないこと ( 心の内 ) とによって、判断しているのです。誤解されやすいと感じている人は、だから、自分の行動と思いに乖離があるのです。思いをそのまま行動に移せていないのです。ときには、思いと反対の行動をしていることさえあるのです。 思いが行動に移せていないときは、誤解されるだけでなく、ストレスが掘まります。ス卜レスは思いが伝わらなかったり、発散できなかったりする時に生じるのです。自己イメージと他者からのイメージの乖離を解消するには、自分の心に一致した行動を取るか、行動の方を自分がしたいからそうしているのだと務めることです。 ( 東山紘久『悩みのコントロール術』による ) ( 注 1) 乖 ( かい ) 離 ( り ) :離れていること ( 注 2) 発 ( はっ ) 散 ( さん ) :外へ出すこと