ダイエットに一生懸命な人は多いが、水を飲むと太ると思っている人は少なくない。 水はカロリーがゼロ。飲むと一時的に体重が増したように思うが、な水分は排泄されて、正常な状態に戻る。太るわけではない。 歌手の西城秀樹さんがダイエット中に水分を制限したために脳梗塞のうこうそくを起こしたことが あった。カロリーコントロールはよかったのだが、それに見合った水分をとっていなかったようだ。脳梗塞はダイエット中の激しい運動やサウナに入ったりして多くの水分が失われ、脱水状態になったときに起こりやすい。水分が血液が固まりやすくなるからだ。 水分を体外に出すことで起こる体重の減少が、体重の3%を超えると危険といわれる。たとえば、体重60(キロ)の人なら、1.8リトッル相当を超えた水分を対外に出すと、脱水症状が進み、血栓けっせんができる場合がある。5%を超えると、熱中症で深刻な状態になる。 私はダイエットにはむしろ水を多く飲む方がよいのではないかと思っている。きたとき、3度の食事の間、風呂の前、就寝前などにコップ一杯程度のミネラルウォーターを飲む。利尿効果の高い高度の高いミネラルウォーターを選んで飲むのがよい。ほかにも、のどが渇いたとき、間食がしたくなったときなどにも飲むように心がける。 夏は合計3リトッル、それ以外の季節は2リトッルぐらい飲むようにする。毎日続ければ、少しずつな脂肪が減っていき、健康的にやせることができる。もちろん副作用はないし、ダイエットにつきもののリバウンドも少ない。 血液中のブドウ糖濃度が低下すると、脳の摂食中枢せっしょくちゅうすうが刺激されて空腹感を覚える。この状態で1、2杯の水を飲むと、胃液が薄められて胃の酸性度が下がり、脳に満腹の信号が間違って送られる。水を定期的に飲めば、過剰な食欲や間食が自然に抑えられ、肥満を予防できるというわけだ。 この水飲みダイエットの科学的根拠がドイツ栄養研究所のM・ボッシュマン博士によって最近明らかにされた。 (人間総合科学大学教授 鈜一郎) 【問題1】水を飲むことについて、正しいものは次のどれか。