「人生は楽しければそれでいい」という人がいる。「生甲斐(いきがい)(注1)がない人生に意味はない」という人もいるだろう。「どんなに苦しくても生き抜くことが大切」「儀(注2)のためには命も捨てる」など、人の意見は様々だ。各人各様に人生をとらえているとき、人はすでにその人の哲学を生きている。世の中にはあまりにも多様な哲学があり、他人と議論してみるとそのことは如実にわかる。そのような時、「それにしても本当のところはどうなっているのか」と考え始めたとする。本当の哲学が始まるのはそのときだ。(注1) 生甲斐:生きる意味 (注2) 儀:正しいとされること問:筆者の言う「本当の哲学」とは、どのようなものか。