「二十六日のクリスマスケーキ」 今思うと笑いぐさだが、昔、女性の婚期は二十四、五歳までとされた時代があった。そのころ、 1 品のないたとえ に使われたのがクリスマスケーキ。二十四日(歳)は飛ぶように売れ、二十五日も多少は出るが、二十六日まで残ったら投げ売るしかない、と。 その、晩婚化が進み、こんな “冗句”が成り立つ基盤は失われたが、ケーキの側の事情も変わった。計画生産の浸透で、二十六日まで持ち越す店などめったになくなったのだ。 この背景にはケーキ自体の日常化がある。売れる季節が限られていた時代、店は勝負をかけて大量に作った。しかし、今はいつでも売れるから、そう必死になることもない。 今、 2 女性に結婚適齢期はない 。身の回りに男があふれ、勝負するほどの価値がないことがわかって、「二十六日のクリスマスケーキ」は( 3 )になった。